著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

コロナワクチンを接種しない人は交通事故を起こしやすい?

公開日: 更新日:

 自動車による交通事故の多くは、スピード違反、不適切な追い越し、信号無視、右折禁止違反などによって引き起こされます。このような行動は、安全に対する人の認識や態度を反映しており、このことはまた健康リスクに対する認識や態度とも関連している可能性があります。

 たとえば、健康に対する関心が低い人では、交通安全に関する推奨事項も軽視する傾向があるかもしれません。感染症に対するワクチンの接種をためらうこともまた、安全に対する態度の一部と関連している可能性があります。そんな中、新型コロナウイルスワクチンの接種と、交通事故の関連性を検討した研究論文が、米国の医学誌に2022年12月2日付で掲載されました。

 この研究では、カナダのオンタリオ州に在住している約1100万人の成人が対象となりました。医療記録データベースに基づき、新型コロナウイルスワクチンの接種状況が調査され、同地域の病院から報告された交通事故6682件との関連性が解析されています。

 調査対象者の16%がワクチン未接種者でした。また、報告された交通事故のうち、25%に当たる1682件がワクチン未接種者によるものでした。解析の結果、ワクチンを接種していない人では、ワクチンを接種した人に比べて、交通事故のリスクが72%、統計的にも有意に増加しました。解析結果に影響を与えうる年齢や性別、居住地域などの因子で統計的に補正しても、48%のリスク増加が示されました。

 論文著者らは「交通事故リスクの大きさは、飲酒によるリスクよりは小さいものの、睡眠時無呼吸症候群(睡眠中に発生する無呼吸で熟睡できず、日中に強い眠気を生じてしまう病気)に関連するリスクに匹敵する」と考察しています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  2. 2

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か

  5. 5

    周囲にバカにされても…アンガールズ山根が無理にテレビに出たがらない理由

  1. 6

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  2. 7

    三山凌輝に「1億円結婚詐欺」疑惑…SKY-HIの対応は? お手本は「純烈」メンバーの不祥事案件

  3. 8

    永野芽郁“二股不倫”疑惑「母親」を理由に苦しい釈明…田中圭とベッタリ写真で清純派路線に限界

  4. 9

    佐藤健と「私の夫と結婚して」W主演で小芝風花を心配するSNS…永野芽郁のW不倫騒動で“共演者キラー”ぶり再注目

  5. 10

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意