著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

新型コロナ対策で“不誠実な行動”をしていた米国成人は4割以上いた

公開日: 更新日:

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためには、手指衛生の励行やワクチンの接種、不要不急の外出を避ける、感染判明後は自宅療養に徹するなどの方法が効果的です。ただし、一連の行動を継続的に実施することは日常生活に小さくない負担や不自由を強いるものでしょう。一方で、マスクの着用が「マナー」あるいは「ルール」へと変化したように、感染予防行動を取らない人に向けられる世間のまなざしは、少なからず冷ややかです。

 そんな中、新型コロナウイルスの感染対策に関して、不誠実な態度やウソの報告をした人の割合を調査した研究論文が、米国医師会が発行しているオープンアクセスジャーナルの電子版に、2022年10月10日付で掲載されました。

 米国で行われたこの研究は、1733人(平均41歳)を対象としたオンライン調査です。研究参加者に対して、感染予防行動に関する9つの質問を行い、その回答が集計されています。

 調査の結果、全体の41.6%にあたる721人が、9つの質問のうち少なくとも1つで不誠実な行動をしていました。具体的には、実際よりも多くの感染予防行動をしているとウソをついた経験のある人が24.3%、新型コロナウイルスの感染が判明した後にもかかわらず自宅隔離を守らなかった経験のある人が22.5%、新型コロナウイルスに感染している可能性があると思ったにもかかわらず検査を避けた経験のある人が21.0%でした。一連の行動理由として、「普段通りの生活をしたかった」や「個人の自由を行使したかった」などが挙げられています。

 論文著者らは「感染対策に関するウソの報告や不誠実な行動が広く浸透しており、感染予防策の有効性が損なわれている可能性がある」と指摘しています。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  2. 2

    清原和博氏が巨人主催イベントに出演決定も…盟友・桑田真澄は球団と冷戦突入で「KK復活」は幻に

  3. 3

    巨人今オフ大補強の本命はソフトB有原航平 オーナー「先発、外野手、クリーンアップ打てる外野手」発言の裏で虎視眈々

  4. 4

    元TOKIO松岡昌宏に「STARTO退所→独立」報道も…1人残されたリーダー城島茂の人望が話題になるワケ

  5. 5

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  1. 6

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  2. 7

    高市首相のいらん答弁で中国の怒りエスカレート…トンデモ政権が農水産業生産者と庶民を“見殺し”に

  3. 8

    ナイツ塙が創価学会YouTube登場で話題…氷川きよしや鈴木奈々、加藤綾菜も信仰オープンの背景

  4. 9

    高市首相の台湾有事めぐる国会答弁引き出した立憲議員を“悪玉”にする陰謀論のトンチンカン

  5. 10

    今田美桜「3億円トラブル」報道と11.24スペシャルイベント延期の“点と線”…体調不良説が再燃するウラ