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下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

生活にコミットすることでこれまで見えてこなかった問題点が明らかに

公開日: 更新日:

 在宅医療を開始したことで、これまで見過ごされていた問題が明らかになることがあります。

 そのひとつがポリファーマシー問題です。ポリファーマシーとは、多くの薬を飲むことで、薬の相互作用、飲み間違い、飲み忘れなどで引き起こされる有害事象を指します。

 この問題が顕在化してきた理由は、在宅医療が患者さんの自宅に上がり込み、患者さんの生活にある程度コミットすることで、薬の量や内容、患者さんがちゃんと服薬しているかなどを、医師が直接確認することができるようになったからです。

 その患者さんは、旦那さんと娘さんと3人暮らしをする85歳の女性の方。

 直腸がん手術を受けており、人工肛門を装着。子宮体がんもあり、子宮内膜から発生したがんが周囲の子宮筋層の中に入り込んでいく子宮浸潤を起こし、バイパス術を受けていました。

「本日はご体調いかがですか?」(私)

「えぇ、変わらずです」(患者)

「お薬手帳はございますか?」(私)

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