著者のコラム一覧
下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

病院では難しかった細かいケアも自宅でなら思うようにできる

公開日: 更新日:

「現在入院中ですが、GWまではもたないと病院で言われています」

 3月の中旬、ケアマネジャーさんから在宅医療の相談を受けました。

「訪問診療が決まれば退院して自宅に帰れるということで訪問診療を探しています。あけぼのさんにお願いしたいと思っています。患者さんは4月10日の退院を目指しており、その日に初回訪問希望です。ほかに詳しい情報が手元になくて……。患者さん、ご家族と相談し、正式な依頼は再度ご連絡いたします」

 その患者さんは前立腺がんの末期。奥さまと2人暮らしで、近所に娘さんが住んでいます。入院前から認知機能も低下しており、場所や時間を誤認するなど、覚醒レベルに異常が生じるせん妄の症状もみられていました。

 そんなこともあって、在宅医療を開始したタイミングでは、患者さんは余命についてハッキリと知らされていませんでした。

「聞いておきたいこととかありますか?」(私)

「病院の方で3回くらい病気について告知されたみたいですけど、本人に聞いたら何も知らないみたいで」(娘)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    農水省ゴリ押し「おこめ券」は完全失速…鈴木農相も「食料品全般に使える」とコメ高騰対策から逸脱の本末転倒

  3. 3

    TBS「ザ・ロイヤルファミリー」はロケ地巡礼も大盛り上がり

  4. 4

    維新の政権しがみつき戦略は破綻確実…定数削減を「改革のセンターピン」とイキった吉村代表ダサすぎる発言後退

  5. 5

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  1. 6

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  2. 7

    粗品「THE W」での“爆弾発言”が物議…「1秒も面白くなかった」「レベルの低い大会だった」「間違ったお笑い」

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  5. 10

    巨人阿部監督の“育成放棄宣言”に選手とファン絶望…ベテラン偏重、補強優先はもうウンザリ