料理好きな認知症患者…火事を防ぐために何ができるのか

公開日: 更新日:

 また、料理が好きな人に無理やりやめさせると、生きる楽しみを奪ってしまう。認知症は進行性の病気なので残された時間は限られています。家族で協力しながら本人が好きなことを少しでも長く続けるほうが、本人のQOL(生活の質)を高めると私は考えています。

「この間、料理中に鍋焦がして大変だったよね。どう防げばいいかな?」など、家族が感じている心配な気持ちを本人に相談しましょう。一度失敗した経験があると、本人も不安を感じているはずです。初めから何も分からないと決めつけて話し合わないと、本人はそれに気付いて寂しさを感じ、何かあっても家族に相談してくれなくなります。

 家を留守にする際は「お母さんの味を教えてほしいからあとで一緒に作りたい」といったように、認知症の方がうれしいと感じる言葉を伝えてください。認知症になると何もかも忘れると思われがちですが、忘れるのは重要度の低い内容です。うれしいと感じた言葉は比較的長く記憶されやすいのです。メモを見る習慣がある人であれば、目のつく場所に伝えた内容を書いて貼っておくのも有効です。

 安全性の高いガスコンロに買い替えるのも効果的です。08年からは、ガスコンロを販売する際、Siセンサーの搭載が義務化されました。このセンサーは鍋底の温度を感知して、一定の温度を超えたり加熱時間が長いと自動で消火し火事を防ぎます。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    亡き長嶋茂雄さんの長男一茂は「相続放棄」発言の過去…身内トラブルと《10年以上顔を合わせていない》家族関係

  2. 2

    中居正広氏に降りかかる「自己破産」の危機…フジテレビから数十億円規模損害賠償の“標的”に?

  3. 3

    愛知県犬山市にある「もうひとつの万博」に行ってみた “本家”と違いストレスフリー&コスパよし

  4. 4

    “バカ息子”落書き騒動から続く江角マキコのお騒がせ遍歴…今度は息子の母校と訴訟沙汰

  5. 5

    「時代と寝た男」加納典明(16)小熊を屋内で放し飼い「筋肉、臭い、迫力、存在感がぜんぜん違った」

  1. 6

    朝ドラ「あんぱん」豪ちゃん“復活説”の根拠 視聴者の熱烈コールと過去の人気キャラ甦り実例

  2. 7

    元横綱白鵬 退職決定で気になる「3つの疑問」…不可解な時期、憎き照ノ富士、親方衆も首を捻る今後

  3. 8

    メンバー全員兵役終了で気になる「BTS復活」とNewJeans騒動の行方

  4. 9

    中居正広問題のキーマン元編成幹部を“地雷”扱い…「大甘処分」を下したフジテレビの魂胆

  5. 10

    精米「目詰まり」で備蓄米大行列は解消ならず…工場フル回転も大手の余力はゼロ