著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

新型コロナにかかりにくい体質がある ネイチャー誌に掲載

公開日: 更新日:

 新型コロナの感染が再び拡大しています。クリニックでも毎日感染者を診断していますが、検査をすると家族全員が感染しているのに、1人だけ感染していても無症状、というケースにしばしば遭遇します。

 お聞きしてみると、以前も感染したものの、その時も症状は全く出なかった、と言われることが多いのです。新型コロナに感染しても、2割の人は無症状で終わると報告されていますから、症状が出ないこと自体は不思議ではないのですが、特定の人に症状が出ない、ということがあるのでしょうか?

 今年のネイチャー誌に興味深い研究結果が報告されています。HLA(ヒト白血球抗原)というのは遺伝子の血液型のようなもので、多くのタイプに分かれています。このタイプが一致しないと、臓器移植の時に拒絶反応が起こることでも有名です。新型コロナの症状とこのHLAのタイプとの関連を調査したところ、ある特定のHLAのタイプを持っていると、新型コロナに感染しても、無症状のまま終わる確率が高いことが分かりました。

 そのメカニズムを分析したところ、メモリーT細胞と呼ばれる免疫細胞の働きに特徴があり、新型コロナ以外のコロナウイルスに対する免疫が、新型コロナに対しても働く可能性が示唆されたのです。どうやら新型コロナにかかりにくい体質というものが、存在しているようです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    俺が監督になったら茶髪とヒゲを「禁止」したい根拠…立浪和義のやり方には思うところもある

  2. 2

    日本中学生新聞が見た参院選 「参政党は『ネオナチ政党』。取材拒否されたけど注視していきます」

  3. 3

    参政党トンデモ言説「行き過ぎた男女共同参画」はやはり非科学的 専業主婦は「むしろ少子化を加速させる」と識者バッサリ

  4. 4

    巨人・阿部監督に心境の変化「岡本和真とまた来季」…主砲のメジャー挑戦可否がチーム内外で注目集める

  5. 5

    日本中学生新聞が見た参院選 「参政党は『ネオナチ政党』。取材拒否されたけど注視していきます」【全編】

  1. 6

    オレが立浪和義にコンプレックスを抱いた深層…現役時代は一度も食事したことがなかった

  2. 7

    上野樹里“ガン無視動画”にネット騒然! 夫・和田唱との笑顔ツーショットの裏のリアルな夫婦仲

  3. 8

    立浪和義の「白米禁止令」は星野仙一イズムの継承だろう…かつては自身も大目玉を食らっていた

  4. 9

    激太り危機は今や昔…浜崎あゆみ「激ヤセ説」も「連日ケーキ2個」の健啖ぶり

  5. 10

    パックン、長谷川ミラにも批判殺到…「ABEMA」違法外国人問題を巡りフィフィも参戦、海外ルーツのタレントにも分断起きる