注目の前立腺がん新検査「phi」で何がわかる? 2021年から保険適用に

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「前立腺がんは最終的に生検で確定診断を行います。臨床的意義が低いがんの場合、手術、放射線治療などの根治治療をすぐに行わずに、PSAを定期的に調べフォローする監視療法でも対応できます。しかし、こうした臨床的意義が低いがんは、生検をまだする必要がなかった可能性があるとも考えられます。不要な生検の回避は、患者さんにとっても大きなメリットがあります。そのための検査指標の一つが、このphiになります」

 phiは、前立腺がん組織の中に蓄積しやすい物質([-2]proPSAなど)を採血で測定する。がんの可能性をPSAより高い精度で調べられる可能性がある。とはいえ、最初にチェックする腫瘍マーカーではなく、あくまでもPSAが先だ。

「phiは、補助診断のひとつです。すべてのPSA高値の患者さんに対してphiを行うわけではありません。PSAがグレーゾーンの場合は、phiの結果が生検検査の要否に有効なひとつの手掛かりになる場合があります」

 “PSAがグレーゾーン”というのは、PSA4~10の間。25~40%の割合でがんが発見されるといわれている。言い換えると、60~75%の割合でがんが発見され“ない”ので、不要な生検になる可能性もある。近年はMRIを行い、異常所見があれば生検に進む一方で、MRIで異常なしとなれば、必要に応じてphiを行い、生検の要否を判断する。

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