著者のコラム一覧
清水俊彦東京女子医大脳神経外科客員教授

東京女子医大脳神経外科客員教授。「汐留シティセンターセントラルクリニック」の頭痛外来には全国から患者が訪れる。

頭痛持ちが「脳過敏症候群」にならないために気を付けるべきこと

公開日: 更新日:

 最後に、21年に発売された3種類の新薬について触れたいと思います。「エムガルティ」「アジョビ」「アイモビーグ」で、「片頭痛の救世主」と呼ぶ人もいるようです。

 いずれも市販薬ではなく、病院の処方薬で、皮下注射となります。また、これらの薬を処方できるのは、日本頭痛学会、日本神経学会、日本脳神経外科学会、日本内科学会、いずれかの専門医として認定されている医師だけ。受診する際は、事前に調べる必要があります。

 さらに、病院に行って、すぐに注射を打ってもらえるわけではなく、まずはMRIやCTスキャンなどの脳の検査を受けることが必須。これにより脳血管解離やくも膜下出血などの脳の血管トラブル、脳腫瘍など脳の病気はないかを除外しなければなりません。

 3種とも目立った副作用がほとんどないのはうれしいところですが、薬価代は保険診療でも1本1万円を超えるなど高価。私の経験で言えるのは、この高価な薬に頼る前に、まずは日々の暮らしの中での注意や、適切な治療や服薬指導で、片頭痛をある程度、改善できる人がまだまだ多くいらっしゃるということです。 (おわり)

【連載】だからあなたの頭痛は治らない

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景

  5. 5

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  3. 8

    三谷幸喜がスポーツ強豪校だった世田谷学園を選んだワケ 4年前に理系コースを新設した進学校

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋