著者のコラム一覧
荒井宏幸クイーンズ・アイ・クリニック院長

クイーンズ・アイ・クリニック院長。医学博士・眼科専門医。医療法人社団ライト理事長。みなとみらいアイクリニック主任執刀医。防衛医科大学校非常勤講師。

【ものもらい】市販の点眼薬では治らない種類がある

公開日: 更新日:

 患者さんの自覚症状としては「まぶたが赤く腫れる」「まばたきをしたときや触ったときにまぶたに痛みがある」「まぶたの結膜に膿や充血が見られる」「目ヤニが増える」「かゆみがある」などがあります。

 麦粒腫には2種類あり、汗腺やまつ毛の毛根に感染が生じたものは「外麦粒腫」、マイボーム腺に感染が生じたものは「内麦粒腫」と呼びます。

 麦粒腫は数日間で自然に治ることも多いです。しかし「まぶたの裏がゴロゴロするな」「押すと痛いな」などの違和感があれば、早めに眼科医の診察を受けることをおすすめします。

 軽症のうちは抗生物質が入った点眼薬や目の軟膏、飲み薬で治療できますが、炎症がひどくなってしまうと、患部に針を刺して膿を出したり切開しなければならなかったりと、痛みを伴う治療が必要になるからです。今までは自然に治っていた人も、不規則な生活を続けることで悪化してしまうケースもあります。

「市販の点眼薬では治りませんか?」とよく質問されます。絶対にダメとは言わないものの、前述のように、ものもらいには麦粒腫と霰粒腫(次回紹介)があり、どちらに該当するかは調べないとわかりません。そして、麦粒腫には点眼薬よりも飲み薬の方が有効なことも多いのです。

 一方、霰粒腫であった場合には点眼薬では治りません。ですから、「ものもらいかな」と思ったら眼科に。なお「ものもらいは、うつりますか」「ものもらいの人と同じタオルを使わない方がいいですか」という質問も多くありますが、人から人に感染することはありません。

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