白髪を科学する(4)病気の治療薬で「毛髪の再着色化」が報告されている

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 白髪を治す薬剤は今後も期待できないのか? 資生堂リサーチセンター(研究所)で主に薄毛、白髪の研究に携わってきた日本毛髪科学協会役員の出田立郎氏が言う。

「現時点でできていない理由は、①白髪は病気でなくカラーリングで解決できるため専門家が少ない、②研究費が莫大、③開発に成功しても白髪を元に戻す効果は薬機法上の医薬外部品で定められた育毛剤や脱毛症治療薬の領域外なので販売が難しい、などが挙げられます」

 また、色素細胞は体中に分布しており、髪の毛の色素細胞に作用する薬剤を作ると、それ以外の色素細胞が暴走してがん化する懸念もある。

 では可能性がゼロかといえば、そうではないという。

「元の髪色に戻る現象を『HR』(Hair Repigmentation=毛髪の再着色化)と言いますが、前回もお話しした通り、近年の症例報告からHRへの方向性はある程度わかりつつあります」

 たとえば、ビタミンB12の欠乏は手足のピリピリ感や感覚消失などの神経症状と共に白髪が認められるが、治療薬によるHRが複数報告されている。

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