大量のフケが出る人は「粃糠性脱毛症」で薄毛が進むリスクあり

公開日: 更新日:

「粃糠性脱毛症は比較的男性に多いとされています。ただ、男性と比較して女性は髪の毛が長く、ただでさえ頭皮の通気性が悪い上に、耳の後ろのくぼみに髪の毛が密集しやすく乾きにくい。当院で粃糠性脱毛症と診断された方の中でも、耳の後ろから襟足にかけて症状が見られるケースも少なくありません」

■シャンプーに注意

 ある50代後半の女性は、約3カ月前から猛烈な頭のかゆみと大量のフケに悩まされていたが、元々乾燥肌なため季節的なものだろうと市販の保湿シャンプーで対処していた。ヘアセットがしづらいと感じていたある日の夜、風呂場の排水口に抜け毛がびっしり詰まっているのに気付き、慌てて受診した皮膚科で粃糠性脱毛症と診断された。

 頭皮の炎症の状態に合わせて、ステロイド外用薬、抗生剤、抗真菌薬などが使われる。掻きむしる行為によって頭皮に傷がつき、細菌感染を起こしている場合には抗生物質が処方される。皮脂の分泌が少ない人に対しては、ビタミンB群のサプリメントも有効だ。

「頭皮は顔や腕などと違って髪の毛があるので外用薬を塗るのが非常に難しく、塗れば塗るほど頭皮はべたつきやすい。そこで当院では、マラセチアの異常繁殖を抑え頭皮環境を改善させる『ケトコナゾール』をシャンプーに溶かしたものを処方しています。市販のシャンプーに含まれるミコナゾールよりも頭皮湿疹に対する効果が高く、早い人だと1カ月で症状が改善します。ただ、皮膚の病気と同じく頭皮は治療に時間がかかる上に何度も繰り返しやすい。特定の部位だけにかゆみがあると再度受診される方も一定数見られます」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  2. 2

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  3. 3

    阪神・佐藤輝明が“文春砲”に本塁打返しの鋼メンタル!球団はピリピリも、本人たちはどこ吹く風

  4. 4

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  5. 5

    広末涼子「実況見分」タイミングの謎…新東名事故から3カ月以上なのに警察がメディアに流した理由

  1. 6

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  2. 7

    国保の有効期限切れが8月1日からいよいよスタート…マイナ大混乱を招いた河野太郎前デジタル相の大罪

  3. 8

    『ナイアガラ・ムーン』の音源を聴き、ライバルの細野晴臣は素直に脱帽した

  4. 9

    初当選から9カ月の自民党・森下千里議員は今…参政党さや氏で改めて注目を浴びる"女性タレント議員"

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」