過敏性腸症候群でもう悩まない(2)薬物療法だけで3カ月で完治できる

公開日: 更新日:

 慢性的な腹痛や下痢、便秘やガスだまりの症状に悩まされる「過敏性腸症候群(IBS)」。お腹の不調を改善させる治療には、どういった方法があるのか。「おりたメンタルクリニック」院長の織田宗太郎氏に解説してもらった。

「IBSの治療は薬物療法が基本です。下痢型であれば、腸管蠕動運動の活発化や大腸内への水分流入量を改善させる『イリボー(一般名:ラモセトロン塩酸塩)』が有効です。ほかにも下痢や便秘、どちらの症状にも対応できる『コロネル(一般名:ポリカルボフィルカルシウム)』と呼ばれる薬もあります。便に含まれる水分量を調節する作用があり、水様便を防いだり、逆に水分量を増やして排便を促してくれます。症状の頻度やタイミングに合わせて服薬回数が変わるので、問診時のヒアリングが重要です」

 症状に応じて、下痢止めや腸内細菌の乱れを整える整腸剤のほか、自律神経の不調に対しては四逆散などの漢方薬も処方される。早い人であれば服薬から1~2カ月で症状が改善され始め、治療開始から3カ月前後で完治するケースも少なくないという。

「IBSを長い間放置したからといって、薬が効かなくなることはありませんが、効果が得られるまでに時間がかかりやすくなります。さらに自律神経の乱れが慢性化していると、そこに対するアプローチも必要になるので治療の負担が増えかねない。心療内科では症状の引き金となる心理的ストレスに対応するカウンセリングも併用しながら治療を行っています。排便異常で悩んだら、慢性化する前に早めに手を打っておくとよいでしょう」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本中学生新聞が見た参院選 「参政党は『ネオナチ政党』。取材拒否されたけど注視していきます」

  2. 2

    俺が監督になったら茶髪とヒゲを「禁止」したい根拠…立浪和義のやり方には思うところもある

  3. 3

    上野樹里“ガン無視動画”にネット騒然! 夫・和田唱との笑顔ツーショットの裏のリアルな夫婦仲

  4. 4

    巨人・阿部監督に心境の変化「岡本和真とまた来季」…主砲のメジャー挑戦可否がチーム内外で注目集める

  5. 5

    松下洸平結婚で「母の異変」の報告続出!「大号泣」に「家事をする気力消失」まで

  1. 6

    松本潤&井上真央の"ワイプ共演"が話題…結婚説と破局説が20年燻り続けた背景と後輩カップルたち

  2. 7

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」

  3. 8

    参政党トンデモ言説「行き過ぎた男女共同参画」はやはり非科学的 専業主婦は「むしろ少子化を加速させる」と識者バッサリ

  4. 9

    松本潤「19番目のカルテ」の評価で浮き彫りに…「嵐」解散後のビミョーすぎる立ち位置

  5. 10

    巨人エース戸郷翔征の不振を招いた“真犯人”の実名…評論家のOB元投手コーチがバッサリ