過敏性腸症候群でもう悩まない(1)下痢や便秘を繰り返し不安障害を併発しやすい

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 重要な会議の前になると、決まってお腹がゴロゴロしてトイレから出られない……。日本人の10~20%が罹患している「過敏性腸症候群(IBS)」で悩みを抱える人は少なくない。急な便意や重度の便秘の症状で日常生活に支障を来す。「おりたメンタルクリニック」院長の織田宗太郎氏に聞いた。

  ◇  ◇  ◇

「IBSとは、腸に異常がないのに慢性的に腹痛や下痢、便秘の症状に悩まされる病気です。4つのタイプがあり、1日に何度も腹痛が生じたりお腹を下す『下痢型』、長期間にわたって便秘が続いたり、排便したとしてもウサギの糞のような硬くコロコロした便が見られる『便秘型』、下痢と便秘を繰り返す『混合型』、腹部膨張感やオナラなどほかの3つの型に当てはまらない症状が現れる『分類不能型』に分類されます。患者さんは20~40代に多く、半数以上は下痢型と診断されています」

 IBSを発症する明確な原因は明らかになっていない。ただ、近年の研究では、ストレスが腸内の神経伝達物質セロトニンを過剰に分泌させ、腸の動きを過敏にさせると分かってきた。入社や転職など環境が変化して不安やストレスを感じやすい4月は、患者数が増えやすいという。感染性胃腸炎で激しい腹痛や下痢を経験し、再感染を過度に恐れてIBSを発症するケースも少なくない。ほかにも自律神経の不調や食生活の乱れも発症のリスクにつながるという。

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