著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

SNSの落とし穴…偽情報も繰り返されれば真実だと思い込む

公開日: 更新日:

 すると、同じ文章を繰り返し見せるとその文章が真実だと感じる傾向があることが分かり、実に被験者の85.2%(483人)がこうした傾向になることが分かったといいます。さらに、時間の間隔に関しては、1日後(72%)、1週間後(71%)、1カ月後(61%)という具合に、経過とともに減少することも判明したそうです。

 ヘンダーソンらは、こうした効果を「錯覚的真実」と呼び、同じ内容の情報を繰り返されることで、人はその情報が真実だと錯覚してしまうと説明しています。実験が示すように、錯覚効果は短期間で繰り返し触れれば触れるほど、情報の真偽判断に大きな影響を与えるわけですから、私たちの生活においても無関係ではありません。

 たとえば、広告などで同じメッセージを繰り返し流すことで、その製品の有効性や信頼性が高まるのも、錯覚的真実によるところが大きいです。

 昨今は、ソーシャルメディアなどでも、同じ情報が何度も共有されることで、その情報の真偽にかかわらず、真実だと認識されてしまうケースが増えています。特に、短期間で同じ情報が繰り返し目に入ると、人はそれが真実であると錯覚する--。この特徴を考えると、SNSのタイムラインに次々と流れてくる似たような情報に対しては、「情報の出どころを確認する」「情報の新鮮さに惑わされないようにする」「複数の情報源を確認する」といったフィルターがなければいけないでしょう。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  2. 2

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か

  5. 5

    周囲にバカにされても…アンガールズ山根が無理にテレビに出たがらない理由

  1. 6

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  2. 7

    三山凌輝に「1億円結婚詐欺」疑惑…SKY-HIの対応は? お手本は「純烈」メンバーの不祥事案件

  3. 8

    永野芽郁“二股不倫”疑惑「母親」を理由に苦しい釈明…田中圭とベッタリ写真で清純派路線に限界

  4. 9

    佐藤健と「私の夫と結婚して」W主演で小芝風花を心配するSNS…永野芽郁のW不倫騒動で“共演者キラー”ぶり再注目

  5. 10

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意