著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

がんと血管病を併発したデーモン閣下…手術の順番はどうなる?

公開日: 更新日:

 音楽家のデーモン閣下が早期がんのほかに、大動脈の病気にかかっていたことを告白し、話題を呼んでいます。突然、重い病気を2つも突きつけられ、動揺したようですが、このようなことは決して少なくありません。今回は、こういうときの対応について考えてみましょう。

 これまでの報道によると、今年2月の内視鏡検査でステージ1の早期がんが見つかり、4~5月にかけて入院して手術を受けたことを6月に公表しています。今回、新たに公表されたのは、そのがんの術前検査で指摘された異常について。それが、大動脈のコブのようなものだったそうです。

 がんの切除と大動脈の切除をめぐって、医師の間では慎重な検討がなされ、結論が出るまで2カ月ほど要したとのこと。その結果、がんを切除してから、大動脈の手術を受けたといいます。

 大動脈は心臓から拍出された血液が最初に通る血管で、その名の通り人体の中で最も太い。大動脈の手術の合併症で「声を失うことがある」と指摘されたのは、声帯の動きを支配する反回神経への影響を指していると思われますから、推測するに大動脈の異常は胸部大動脈瘤でしょう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  2. 2

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  3. 3

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  4. 4

    最後はホテル勤務…事故死の奥大介さん“辛酸”舐めた引退後

  5. 5

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  1. 6

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  2. 7

    名古屋主婦殺人事件「最大のナゾ」 26年間に5000人も聴取…なぜ愛知県警は容疑者の女を疑わなかったのか

  3. 8

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 9

    高市内閣支持率8割に立憲民主党は打つ手なし…いま解散されたら木っ端みじん

  5. 10

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘