アルツハイマー病の新治療薬「ドナネマブ」の実力と対象者

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 まず起こるのは、アミロイドβの蓄積だ。それらはアミロイドβプラーク(老人斑)という塊となり、次にタウというタンパク質が蓄積して神経原線維変化が出現。脳の神経細胞が死滅し、やがて認知症の症状が現れる。

■投与期間の目安は1年

 レカネマブはアミロイドβが大きな塊になる前の段階に働きかける。一方、ドナネマブは塊であるアミロイドβプラークを除去する。アミロイドβプラークの中だけに存在すると考えられるN3pGアミロイドβを標的とするのだ。

「臨床試験では1年間で66%の患者さんのアミロイドβプラークが取り除かれ、投与完了後も効果が持続。認知機能低下およびADL(日常生活動作)の低下抑制が見られ、18カ月の投与で5カ月以上の進行抑制につながりました」(古和教授=以下同)

 レカネマブは投与期間が決まっていないが、ドナネマブは投与期間が決まっている。目安は12カ月で、最長18カ月だ。

「ドナネマブはアミロイドβプラークの除去が確認された時点で投与を完了できる、唯一のエビデンスを持っている薬」

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