認知症の内服治療のポイントは? 重症度や症状によって有効な薬は変わる
認知症の治療は、「環境調整」「関わり方(接し方)」「内服治療」の3本柱です。環境調整と関わり方のために“正解のリハビリ”があり、それによって“最善の介護”が継続できると考えます。
では、認知症に対してどの程度、内服治療は有効なのでしょうか。答えは「極めて有効」です。治療のポイントは、意欲・認知機能の向上と、BPSD(認知症の行動・心理症状)の管理になります。つまり、意欲・認知機能が低下した場合やBPSDで困る場合に投薬治療を行うのです。
認知症は重症度と意欲・精神の状態により、その治療が変わります。重症度は、認知機能の重症度と身体的な日常生活動作の重症度で分けられます。よく知られている認知機能の重症度の評価法は、MMSE検査(ミニメンタルステート検査)です。30~28点は正常域、27~24点は軽度認知機能低下、23~20点は軽度認知症、19~10点は中等度認知症、9~0点は重度認知症と考えられます。身体的な重症度はBI(バーセルインデックス)で評価できます。
100点は正常域、95~85点はほぼ自立、80~60点は軽介助が必要な軽度障害、55~40点は中等度介助が必要な中等度障害、35点以下は全介助が必要な重度障害に分けられます。