著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学元教授、医事評論家

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

日本の薬は大丈夫か?(3)ジェネリック不足は世界の問題

公開日: 更新日:

 ジェネリック不足は日本だけの問題ではありません。新型コロナ流行前から世界中で顕在化し、現在も解消のめどは立っていません。

 まず身近なところでは、「アモキシシリン」や「セファレキシン」といった、代表的な抗生物質が不足しています。風邪、気管支炎、中耳炎、膀胱炎、皮膚炎など、細菌性の病気に処方される薬です。日本でも昨年の秋ごろから不足し始め、アモキシシリンについては、現在すべてのメーカーが限定出荷になっています。またセファレキシンは供給停止や販売中止が相次ぎ、いまは1社のみ限定出荷している状況です。これから冬を迎えて、不足感がさらに高まるのは必至です。抗生物質は需要の増加に対して原薬の供給が追いつかないことが、不足の原因になっています。しかし供給元が特定のメーカーに集中していると、被害はより大きくなることがあります。

 2018年、アメリカで高血圧薬の「バルサルタン」(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)が市場から消えました。中国の原薬メーカーの製品に、発がん物質が混入していたためです。ただちに製品の回収と出荷停止の措置が取られましたが、ジェネリックメーカーの多くが、原薬をこの1社から購入していたため、影響は甚大でした。患者には代替品が処方されましたが、心不全、心臓発作、脳卒中などが増加したと報告されています。このときは日本でも、同じ中国メーカーの原薬を使っていた製品が、回収・製造停止になりました。しかし別の原薬メーカーから買っていた会社も数社あったおかげで、大きな問題にならずに済んだのでした。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「遅刻横行」「新入生は練習禁止」…かつての神村学園を変えた小田監督が語った指揮官の矜持

  2. 2

    侍ジャパンは2028年ロス五輪“出場”すら危うい現実 27年プレミア12が目先の焦点に

  3. 3

    相次ぐ海外勢欠場の幸運…日本勢は異例の“棚ボタ”メダルラッシュへ【25日開幕フィギュア世界選手権】

  4. 4

    「高市離れ」が参院自民と霞が関で急加速 11年ぶり暫定予算ドタバタ編成がダメ押しに

  5. 5

    松重豊「孤独のグルメ」続投の裏にある《諸事情》とは…63歳ゴローさんがやめられない理由

  1. 6

    前田敦子“アンダーヘア透け疑惑”写真集が絶好調! トップ張った元アイドルの生き様を女性が強く支持

  2. 7

    沖縄尚学の左腕・末吉良丞は日米争奪戦を呼ぶ「間違いなくドラ1候補」

  3. 8

    サヘル・ローズさん「憲法9条がある日本は世界に平和を訴える独自の役割がある」

  4. 9

    高市首相が画策「逃げ恥国会」は大失敗!予算年度内成立に暗雲、11年ぶりの暫定予算編成へ

  5. 10

    松重豊は福岡の人気私立「西南学院」から明大文学部に 学費の問題で日大芸術学部は断念