子どものアトピー性皮膚炎を悪化させない、しっかり治す…「見た目が良くなった=完治」ではない

公開日: 更新日:

■改善しないケースの共通点

「乳幼児の湿疹やアトピー性皮膚炎で症状が良くならないという場合には共通点があります。多いのは、ステロイド軟膏の間違った使い方。使用量が少ない、使用期間が短い、少し良くなったら中止するということがよく見られます」

 ステロイド軟膏は、保護者の人さし指の先から第1関節までに乗せた薬の量を「FTU(フィンガー・チップ・ユニット)=1単位」とし、年齢、場所に応じて何単位塗るか決められている。ステロイド軟膏は5段階の強度があり、塗る場所で適切な強度が異なる。

 これらの薬は、使用期間が短かったり、少し良くなったからと中止したりすると、皮膚の炎症が悪化。薬を強いものにしなければならなくなっていく。「見た目が良くなった=炎症が治った」ではない。炎症を完全に鎮めるためには、自己判断は禁物だ。

「現在のアトピー性皮膚炎の治療はプロアクティブ療法といって、最初からステロイド軟膏を積極的に使い、炎症を鎮めます。その後に保湿外用薬によるスキンケアに加え、ステロイド軟膏やタクロリムス外用薬を週2回など定期的に塗布し、寛解状態を維持します。最終的には、症状はあっても日常生活に支障がない程度に軽く、薬物療法もあまり必要としない、たとえ悪化しても持続しないところを目指します」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  2. 2

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  3. 3

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  4. 4

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  5. 5

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  1. 6

    日本人選手で初めてサングラスとリストバンドを着用した、陰のファッションリーダー

  2. 7

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方

  3. 8

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  4. 9

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  5. 10

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした