過労死を防ぐには「衝動」を見逃してはいけない…隠れ疲労に注意

公開日: 更新日:

 過労死や長時間労働の問題を解消するため、2021年にいわゆる「過労死ライン」が見直された。今年の4月1日からは、医師、運送業、建設業の3業種で、時間外労働の上限規制が始まり、「2024年問題」として議論が続いている。働く人の命や健康を守るために労働環境の改善は重要な課題といえるが、一方で、「疲労」を見逃さないことも大切だ。「東京疲労・睡眠クリニック」院長の梶本修身氏に聞いた。

 われわれが「疲れた」と感じるのはエネルギーを消費して体が疲弊したからではなく、脳の中にある自律神経の中枢に大きな負担がかかったからだという。

「自律神経は、体温、血圧、呼吸、心拍数、睡眠、摂食など、人間が生命を維持するために必要なあらゆる身体活動をコントロールしています。仕事や運動によってその自律神経が酷使されると、脳の細胞で活性酸素が発生し、酸化ストレスの影響で本来の自律神経の機能を果たせなくなってしまいます。これが、脳で疲労が生じている状態=脳疲労です。『自律神経が疲れた』という情報が脳の眼窩前頭野に送られると、そこで『体が疲れた』という情報に書き換えられ、体全体の『疲労感』を自覚するようになります」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  2. 2

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  3. 3

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  4. 4

    最後はホテル勤務…事故死の奥大介さん“辛酸”舐めた引退後

  5. 5

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  1. 6

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  2. 7

    名古屋主婦殺人事件「最大のナゾ」 26年間に5000人も聴取…なぜ愛知県警は容疑者の女を疑わなかったのか

  3. 8

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 9

    高市内閣支持率8割に立憲民主党は打つ手なし…いま解散されたら木っ端みじん

  5. 10

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘