著者のコラム一覧
東敬一朗石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任。薬剤師

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

「食品」ではなく「医薬品」として分類される栄養剤がある

公開日: 更新日:

 成分栄養剤だけは食品に分類されるものは存在せず、医薬品のみとなります。ただ、臨床で多く使用されているのは食品に分類される経腸栄養剤です。

 では、医薬品の経腸栄養剤のメリットは何なのかというと、最も大きな点はコストだと思われます。医薬品なので、当然保険診療の対象になります。つまり患者本人の自己負担額は経腸栄養剤の値段そのものではなく、75歳以上の場合はその1割、70~74歳で2割、70歳未満でも3割で済むのです。

 また、臨床試験を行っているため、どういった副作用の可能性があるかもすでに分かっているというのもメリットです。デメリットである味に関しても、チューブを介して投与されることになるため、直接口に入ることはなく、それほど大きなデメリットにはなりません。

 結局、栄養補助食品として経腸栄養剤を口から摂取する場合には味のバリエーションも多い食品に分類される経腸栄養剤が選択され、チューブを介して投与される場合には医薬品に分類されるものが選択されることが多い印象です。そのため、今後も医薬品としての経腸栄養剤は使われ続けられることになりますが、患者個々に最適な経腸栄養剤を選択することが最も重要といえます。

【連載】高齢者の正しいクスリとの付き合い方

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  2. 2

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か

  5. 5

    周囲にバカにされても…アンガールズ山根が無理にテレビに出たがらない理由

  1. 6

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  2. 7

    三山凌輝に「1億円結婚詐欺」疑惑…SKY-HIの対応は? お手本は「純烈」メンバーの不祥事案件

  3. 8

    永野芽郁“二股不倫”疑惑「母親」を理由に苦しい釈明…田中圭とベッタリ写真で清純派路線に限界

  4. 9

    佐藤健と「私の夫と結婚して」W主演で小芝風花を心配するSNS…永野芽郁のW不倫騒動で“共演者キラー”ぶり再注目

  5. 10

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意