生存率は50%と言われ絶望…俳優の水元秀二郎さん肝臓がんとの闘いを振り返る
泣きながらブログに思いをつづったら、それがネットニュースになってあちこちから電話が来て、一層具合が悪くなるばかり……。とても生きた心地がしなくて、泣きながら「大人になった君へ」と題して娘にビデオレターを残したりもしました。
転機になったのは、東京に戻ってきてすぐ、名医がいるといわれる病院を受診したことです。そこで「今年6月から保険適用になる新薬がある。絶対に治すから」と言われ、一縷の望みとなりました。それが1月だったので、それまでの約半年間は映画の撮影をしていました。でも気持ちが入らず、あまり覚えていません。
いよいよ6月になり、始まったのは飲み薬と点滴です。始まったと同時にドーンと体がきつくなりました。倦怠感でフラフラし、自分の意思ではどうにもならない。副作用でうつになる人もいると聞きました。髪は束で抜けることはありませんでしたが、徐々に薄くなりましたね。
入院したのは2週間で、その後は月~金曜と毎日通院。3カ月でいったん投薬は終わりましたが、それから半年以上、体が言うことを聞かず、ほとんど寝て過ごしました。途中、副作用で肺炎のような症状が出て、麻薬性の咳止め薬を服用したこともありました。