俳優の三夏紳さん前立腺がんの全摘手術後に執刀医から頭を下げられ…

公開日: 更新日:

三夏紳さん(俳優/83歳)=前立腺がん

「大腸がん」や「脳梗塞」も経験しましたが、話として一番盛り上がるのは10年前の前立腺がんかな。

 血尿が出たんですよ。最初は大したことなかったんですけど、だんだん血の混じる割合が多くなって病院へ行ったのです。初めは「前立腺肥大かもしれない」と言われました。でも、その後「前立腺がん」と診断されて、通院しながら薬物療法をしていました。ところが3カ月たっても、6カ月たっても血尿が止まりませんでした。

 それで再検査をして、前立腺のすぐ隣にある膀胱の細胞まで採って調べると、なんと「膀胱がんの疑いがある」と言われたのです。半年も治療した後にそんなことを言われたものですから、別の病院でセカンドオピニオンを受けたところ、「たちの悪いがんがあります」と告げられました。

 その後、義理の弟が前立腺がんや膀胱がんの名医がいる病院を調べてくれて、今度はそこへ検査データを全部持って行って診てもらいました。そこでもやはり「たちの悪いがんなので早く処置した方がいい」という結論になり、手術の話が進んでいったのです。

「スキルス性のがんだろう」とのことで、膀胱の全摘をすすめられました。さらに、膀胱と前立腺は近いので転移の可能性を考えて前立腺も全摘した方がいいと言われました。

 妻と2人、前立腺を取ると男性機能が失われるとの説明を聞きましたが、当時はもう74歳でしたから、膀胱も前立腺も取ることを決断して、手術を受けました。膀胱の代わりに小腸を50センチほど切ってつなげたようです。腹部には30センチほどの大きな手術の痕が残りました。

 ところがです! 手術後に執刀医の教授がやってきて、深々と頭を下げながら「申し訳ありません」と言うのです。教授の話によると「全摘した膀胱にがん細胞はなかった」とのことでした。がんは前立腺の奥の奥に隠れるようにあって、それが相当たちの悪いものだったと言われました。

 驚きましたけどね、その先生が優しくていい先生なんですよ。もう全部取っちゃっているから、怒っても恨んでもどうしようもないですしね。リハビリを含めて1カ月ぐらいで退院しましたけど、先生とは今でもお付き合いがあります。おかげさまで再発や転移は一切なく、あれ以来どこも悪いところがありません。

 ただ、手術から1~2年は尿意が自覚できなくて大変つらい思いをしました。たまった感じが分からないのと、いざ出そうとしても簡単には出てこないのです。今でも「ふぅーっ」と腹圧をかけて押し出しています。腹筋を使うから体にはいいですけどね(笑)。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  2. 2

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  3. 3

    阪神・佐藤輝明が“文春砲”に本塁打返しの鋼メンタル!球団はピリピリも、本人たちはどこ吹く風

  4. 4

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  5. 5

    広末涼子「実況見分」タイミングの謎…新東名事故から3カ月以上なのに警察がメディアに流した理由

  1. 6

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  2. 7

    国保の有効期限切れが8月1日からいよいよスタート…マイナ大混乱を招いた河野太郎前デジタル相の大罪

  3. 8

    『ナイアガラ・ムーン』の音源を聴き、ライバルの細野晴臣は素直に脱帽した

  4. 9

    初当選から9カ月の自民党・森下千里議員は今…参政党さや氏で改めて注目を浴びる"女性タレント議員"

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」