医者にもかかれない人たち…令和の「貧窮問答歌」
ところで、英米独仏の国々では憲法で市民の「抵抗権」が容認されています。これは市民が「アホな政権なら抵抗して権力を奪い取ってもよい権利」です。日本国民にこの権利は認められていません。臣民には一切の所有も認められず、国家は国民の「生命」も含めて好きなだけ搾取できる。E・サイードが指摘した欧米人に根付いたアジア人国家に対するイメージ、「オリエンタリズム」です。これは日本社会では正鵠を得ている気がします。
真面目にコツコツ働いてきて、それでいて何ら報われない人生。そんな人たちの声は響かず、顔は見えません。大変な境遇にいる患者さんを見たとき、その数倍、もっともっと大変で病院には来られない患者さんがこの社会にはたくさん埋もれているのだと思ってしまいます。