感覚器と心臓(2)「白内障」による視力低下は健康寿命を縮める
白内障の治療は、基本的に手術です。日常生活に支障が出るようになったタイミングで、濁った水晶体を取り除き、眼内レンズと交換します。白内障の手術は日本で最も多く実施されている外科手術のひとつで、年間で約140万件以上も行われています。私も2020年に、黄斑円孔と同時に白内障の手術を受けました。
■眼内レンズは大きく分けて2種類
濁った水晶体と交換する眼内レンズは、大きく分けて「単焦点レンズ」と「多焦点レンズ」の2種類があります。
「単焦点」は健康保険が適用される眼内レンズで、焦点の合う距離が限られるので、遠方(5メートル以上)、中間(50~100センチ)、近方(30~50センチ)と、自分が最も見たい距離にピントを合わせたレンズを選択する必要があります。すべての距離にピントを合わせることはできないため、たとえば遠方に焦点を合わせた場合、手元で新聞を読むには老眼鏡をかけなければなりません。しかしその分、焦点を合わせた範囲はくっきり見えるメリットがあります。