日本から外科医が消えていく...若い医師が志望しないのも納得
例えば農業は天候のせいで不作になったり、豊作になると作物の価格が下がったり、リスクだらけです。労働量やさまざまな工夫、努力が必ず報われるわけではありません。コスパが安定しない農業に人気がないのは当然です。
この100年、こういった「1次産業」から、どんどん人材が金融業やIT産業、サービス業といった「3次産業」に流れて行きました。「2次産業」の工場などの製造業も、「3次産業」に吸い込まれていきました。
よりリスクが少なく、賃金がいい仕事、つまり1次↓2次↓3次とヒトが流れて行くこの現象は、古くからペティ・クラークの法則と呼ばれています。
外科医は手術を一例一例こなして評価を受けるシゴトです。肉体労働です。トーダイさんは絶対やらない仕事です。何かの事情で訴えられるリスクもあります。そして過酷なわりに、他の診療科に比べてコスパは最悪!
どんな難手術を長時間やり遂げて患者さんの命を救っても、自己満足以外、得られるものはありません。そうなると当然、すぐに美容整形外科医になる「直美」も増えていきます。お客さまの問診だけして、施術は全部看護師がやってくれて時給2万円! なら、誰にとっても魅力的でしょう。