日本から外科医が消えていく...若い医師が志望しないのも納得
昨年、外科医の学会が金沢であり、「外科医になる人いないよなぁ、やっぱ、お金だよなぁ、ドクターフィーの名目で釣るのはどう?」みたいなシンポジウムがありました。
ある大学病院では、急性大動脈解離の緊急手術を一晩実施して、病院が得られた増加分の報酬の一部を外科医やスタッフに支給するという工夫が学会で報告されていました。
「銭の花の色は清らかに白い。だが蕾は血がにじんだように赤く、その香りは汗の匂いがする」(ドラマ「細うで繁盛記」70年、原作・花登筺)と口上する新珠三千代さんの声が聞こえてきました。でも、その額は1件1万8000円。民間病院の「寝るだけ宿直バイト」でも、倍以上もらえます。
死線をさまよう患者の命を必死で手繰り寄せ、一晩中頑張っても、院内スタッフから「今月はもう緊急手術はやらないでくださいね。約束ですよ」と苦言を言われることもあります。極度のマゾ、ヘンタイしか耐えられない仕事です。
外科医という仕事自体に社会の尊敬がなくなったいま、外科医の数の回復は望めません。「外科医完全絶滅時代」に社会も病院も備えましょう!