前年上回るペースの報告数…「梅毒」は女性患者の割合が急拡大
2013年には男性の報告件数が女性の4.2倍だったが、2023年には1.8倍まで縮小。女性の感染割合が増加している。なぜか。
「マッチングアプリやSNSの普及で匿名性の高い出会いが増えたほか、女性の社会進出に伴い性的選択の自由度が高まったことが大きい。また、性感染症予防への意識低下や、妊婦健診の普及により潜在的感染が顕在化している可能性もあります」(尾上院長、以下同)
未婚者の増加も背景にある。
50歳時点での未婚率は1980年には男性2.6%、女性4.45%だったが、2020年には男性28.25%、女性17.81%に急上昇。尾上院長は「独身者の“さまよえる性欲”があるのではないか」と指摘する。
「現在の50代は経済的に余裕があり性活動も活発。とくに女性は、その気になれば男性に比べて性的パートナーを見つけやすい。そのうえ、経済的に強くなり、マッチングアプリや女性専用風俗など性的交渉を持つ機会が増えている。一方で男性は経済的理由から風俗利用が減少し、同性間接触による感染が増えている。今後、男性は梅毒とHIV同時感染のリスクが高まる可能性があるのではないか」