どの病院でも便秘と診断されて…岡野あつこさん大腸がん手術を振り返る

公開日: 更新日:

「30%の確率で命を落とす」と説明された

 7日間ほどの絶飲食が終わり、いよいよ明日が手術となりました。しかし、そんなタイミングでなんと栄養失調が発覚していったん手術は延期に。私の記憶が正しければ1日5個ぐらいプリンを食べて、2日後ようやく手術になりました。開腹手術によって6.5センチほどの腫瘍を切除したと聞いています。

 手術前の説明で「30%の確率で命を落とす可能性がある。それは覚悟してください」と言われ、手術同意書にハンコを押しました。でも「私は絶対70%に入る」とポジティブにとらえていたので、いつか後日談をするときのため、息子に手術前後の記録用写真を撮ってもらいました。もちろん先生にも許可を得てね。

 術後にステージ3ではなく2だったことが判明しました。転移がなかったので放射線も抗がん剤もなく幸いでした。きっと自分のポジティブさががんを抑え込んだに違いないと思っています。

 主治医との相性も良かったのです。じつは私、大事なことは占いで決めることが多くて、手術直前で栄養失調になるなんて大丈夫かなと、医師を信用しきれていなかったので、信頼できる占い師に主治医との相性を占ってもらったのです。そうしたら相性バッチリだったの。そうじゃなかったら病院を替えようと思っていたけど、安心して手術を受けることができました。

 とてもいいシステムだなと思ったのは、手術室で好きな音楽を流してくれることです。当日は手術室に入る前から私が選んだ大好きな郷ひろみさんの曲が聞こえてきて、テンションが上がりました。麻酔が効くまでのほんの数分でしたけれど、不安が和らぎました。

 術後は痛くて大変な思いをしましたが、痛みが引いてやれやれと思ったらもう退院。入院は13日間でした。

 5年で寛解になり、今は予防のための検診に余念がありません。先日も小さい大腸ポリープを除去しました。

 ストレスでがんになったと思っているので、楽しく生きることを心がけています。あと、やり残したことがないようにすること。8月で71歳になりますけれど、命ある限り自分のできることをやりたいと思って近年、「得度」(僧侶となるための出家の儀式)を受けました。

 福島県のお寺を引き継ぎ、女性の生き方支援や子供たちの人生相談などをやっていけたらと考えています。これが最後の社会貢献。「お布施を集めようなどとは一切考えないように」と占い師に諭されたので、煩悩は捨ててやっていきます。

(聞き手=松永詠美子)

▽岡野あつこ(おかの・あつこ) 1954年、埼玉県出身。立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科修了。91年に「離婚相談室」を設立。これまでの相談件数約4万件。YouTube「岡野あつこチャンネル」は登録者数6万人以上。カウンセリング、講演、執筆とともに、夫婦問題カウンセラー養成にも力を入れている。近著「なぜ『妻の一言』はカチンとくるのか?」(講談社)ほか著書多数。

■本コラム待望の書籍化!愉快な病人たち(講談社 税込み1540円)好評発売中!

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 2

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  3. 3

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  4. 4

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  5. 5

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    今度は横山裕が全治2カ月のケガ…元TOKIO松岡昌宏も指摘「テレビ局こそコンプラ違反の温床」という闇の深度

  3. 8

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    大谷翔平のWBC二刀流実現は絶望的か…侍J首脳陣が恐れる過保護なドジャースからの「ホットライン」