著者のコラム一覧
永尾光一一般社団法人日本精索静脈瘤協会代表理事、医療法人社団マイクロ会理事長、 銀座リプロ外科院長、東邦大学名誉教授

1960年生まれ。埼玉県出身。昭和大学で形成外科学を8年間専攻後、東邦大学で泌尿器科学を専攻。東邦大医学部泌尿器科学講座教授、医学博士・泌尿器科専門医、男性不妊治療・精索静脈瘤手術の第一人者。 一般社団法人日本精索静脈瘤協会医療法人社団マイクロ会理事長。

なぜ“不妊”はこれほど増えたのか…男性不妊の30〜50%は「原因不明」の現実

公開日: 更新日:

■6人に1人が不妊を経験

 世界保健機関(WHO)の調査によれば、成人の6人に1人が不妊を経験しており、これは国や地域を問わない普遍的な問題である。ただし、不妊治療へのアクセスには大きな格差がある。たとえばスウェーデンやフランスでは保険適用や助成制度が整っている一方、アメリカでは州ごとに制度が異なり、日本も医療機関によって対応に差がある。とくに日本では「女性が治療するもの」という固定観念が根強く、男性の検査が後回しにされがちだ。

 意外かもしれないが、男性不妊の30〜50%は「原因不明」とされている。これは医学的な異常が見つからない、または現時点で診断技術が追いついていないことによる。

 一方で、治療可能な男性不妊も多く存在する。代表的なのが「精索静脈瘤」だ。これは精巣周囲の静脈に血液が逆流し、熱がこもることで精子形成を妨げる病態であり、手術により改善が見込める。また、ホルモン異常に対しては薬物療法が、ED(勃起不全)にはPDE-5阻害薬(バイアグラ等)が有効とされている。閉塞性無精子症に対しては、精管吻合術などの手術によって自然妊娠の可能性を回復できる場合もある。

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