著者のコラム一覧
荒川隆之薬剤師

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

耐性菌感染症による死亡は世界で年間100万人を超えている

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 インフルエンザが話題になるこの季節ですが、もうひとつ「見えない感染症の脅威」が静かに迫っています。それが「薬剤耐性(AMR)」です。抗生物質や抗菌薬が効かなくなるこの現象は、私たちが感染症と闘う力を根底から揺るがす「サイレントパンデミック」といえます。

 最新の大規模研究では、1990~2021年に薬剤耐性菌による死亡は世界ですでに年間100万人を超え、関連死は約500万人に達しています。さらに今後25年間で、耐性菌感染症による死亡は累計約3900万人、関連死は1億6900万人に及ぶと推計されています。2050年には年間190万人以上が命を落とす可能性があり、薬剤耐性はがんや心疾患に匹敵する世界的脅威とされているのです。

 背景には、抗菌薬を人や動物、農業分野で必要以上に使ってきた歴史があります。その結果、細菌は生き残る術を獲得し、治療を困難にしてきました。耐性菌は医療現場だけでなく地域にも広がり、手術や化学療法などの医療行為そのものを危険にします。

 対策の基本は3つ。①抗菌薬の適正使用(必要な時に必要な量だけ)、②感染予防(手洗い、ワクチン、衛生管理)、③新しい治療法・薬剤の開発です。

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