在宅医療の現場でも…患者からスタッフへの深刻なカスハラ問題
いったいどこまでが許容範囲なのか。その線引きは、患者さんと医師やスタッフとの関係性や親和性によって変わってくるのかもしれません。しかし、患者さんの自宅が現場となる在宅医療では、病院とは異なる、独特のカスハラが散見されます。
以前、多量の飲酒によってアルコール性認知症を患った76歳の男性患者さんを担当したことがありました。激高しやすく、女性スタッフに対するセクハラも見られる、いわば要注意人物でした。前回訪問した看護師の愚痴を1時間以上話し続けたり、セクハラ発言をしたりするのは、日常的なことでした。
ある時、一緒に介入していた訪問看護師から、「傷の状態が良くなってきているため、訪問看護の介入を終了したい。先生から傷の評価をして、訪問看護終了についてご本人に説明してほしい」という連絡を受けました。
電話をしてきた女性看護師は、「嫌なことをされそうになった時は、いつもそれとなくかわすようにしていますが、いつ怒りの対象にされるかわからず、気が気ではありません。人員も足りず、複数人で訪問することも難しいため、女性スタッフ1人で対応するのは限界です」と訴えていました。実際、当院の男性スタッフが診療に伺った際も、激しく怒鳴りつける場面が見られました。最終的には私が傷の状態を評価し、どの段階になれば訪問看護を終了できるのかを本人に説明し、納得してもらうことができました。


















