風邪は治ったのに咳や痰が続く…原因は「慢性上咽頭炎」かもしれない

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 慢性上咽頭炎症の症状は、冒頭で取り上げた「長引く咳」「喉へ流れる鼻水」「痰がへばりついた感じ」が典型的だ。「喉の違和感」「声のかすれ」などもよく見られる。厄介なのは、慢性上咽頭炎は喉の症状だけでなく、頭痛、肩凝り、倦怠感、めまい、耳鳴り、記憶力や集中力の低下なども引き起こすことだ。

「慢性上咽頭には脳と内臓をつなぐ迷走神経が分布していて、慢性上咽頭の慢性的な炎症は、迷走神経にも伝わります。すると、迷走神経は自律神経を支配する副交感神経の代表格なので、迷走神経の炎症により自律神経が乱れ、さまざまな不調が起こります。さらに上咽頭で起こった炎症は迷走神経を介して脳へ伝わり、脳の機能障害の原因にもなります」

 そしてもうひとつ、上咽頭の慢性的な炎症は、炎症物質であるサイトカインの過剰な産生を招く。サイトカインは血流に乗って全身へと運ばれ、喉から離れた臓器でも新たな炎症を引き起こし、IgA腎症、慢性じんましん、掌蹠膿疱症などの原因になる。

 慢性上咽頭炎は疑って診断しないと見逃してしまいがちだが、耳鼻咽喉科医であっても疑うとは限らない。1960~70年代に耳鼻咽喉科医の注目を集めたものの、当時は科学的に証明できなかったため、医療の表舞台から姿を消し、耳鼻咽喉科の教科書にも記載されていないからだ。実際、慢性上咽頭炎を診断し、治療を行う医師から「大学病院にいたときは慢性上咽頭炎を知らなかった」という話を聞いたことは、記者にとって一度や二度ではない。

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