患者さんとの対話…「歴史の証人」から「歴史の証言」を聞く
当時、海軍に徴用された商船の船員の死亡率は軍人よりも圧倒的に高かったと、どこかで耳にしました。
クワイ河マーチで有名な映画「戦場にかける橋」の舞台となった泰緬鉄道の建設にかかわった方は、涙ながらに体験を語ってくれました。
「アカシアの花散るころ」に「ソ満国境守備隊」から、陥落した直後の南京市に入場された経験を持つ方もおられました。
硫黄島の激戦からの「生還者」もおられました。その時の体験をお尋ねしても何も語られませんでした。硫黄島での話は家族にも一切、口を閉ざしておられるとのことでした。
いずれの話も私にとって想像を絶する異次元の世界の体験です。同情も共感もできません。すべきではないでしょう。失礼です。しかし私は医者の特権でズケズケと質問したのです。医療は患者さんと深く向き合う必要がある、という考えもあります。
映画「ブレードランナー」(1982年米、リドリー・スコット監督、ハリソン・フォード主演)には、お尋ね者の人造人間レプリカント、バティがかつて宇宙で体験した、死と隣り合わせの瞬間で見た景色のことを語る場面があります。


















