(2)食料が消える…「飢え」が健康を蝕んでいく
しかし配給は十分とは言えず、とりわけタンパク質やビタミンが不足した。その結果、栄養失調や脚気、壊血病などの欠乏症が現実の脅威となる。当然、食料難による体重減少は著しく、全国統計から10歳男女児の身長と体重を抜き出すと、40年の男児身長は129.7㎝、体重27㎏で、女児は128.8㎝、26.1㎏。45年は男児127.2㎝、26.1㎏、女児は126.3㎝、25.6㎏だった(ちなみに2020年は男児140.1㎝、35.9㎏で女児は141.5㎝、35.4㎏)。当時は必要な栄養の6割程度の摂取にとどまったとの見方もある。
■旧ソ連圏のダーチャ、白洲次郎らに学ぶ
現代の日本では実感しにくいが、戦時の食料は複雑な供給網に依存しており、途絶すれば影響は段階的に現れる。戦時の健康とは「何を食べるか」ではなく「食べ続けられるか」の問題だ。
その解決のヒントが旧ソ連圏のダーチャ(小規模農園)かもしれない。人々は自ら食料を生産し、不足分を補ってきた。ソ連末期には農作物の4割程度を担ったともされる。欧米でも家庭菜園や家畜飼育、保存食づくりは非常時の備えとして根付いている。


















