食品業界注目の「サゴヤシ」は何がすごいのか 忍び寄る「食糧難」の救世主?

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 食料品の値上げが止まらない。民間調査会社・帝国データバンクの「『食品主要195社』価格改定動向調査」によると、家庭用を中心に飲食料品の今年の値上げ品目は6月30日までに2万9106品目で、新型コロナやウクライナ戦争の影響で記録的な値上げラッシュとなった2022年通年の2万5768品目を超えたという。今後も食品の値上げラッシュは続き、7月はパンを中心に3566品目、8月は乳製品を中心に987品目、9月はチョコレートなど1686品目、10月は酒類などを中心に3385品目の値上げが予定されているという。

 背景には世界的な異常気象によるトウモロコシや小麦などの国際穀物の収穫量の減少や人口急増による需要増などがある。加えてウクライナ戦争や米中対立に代表される国際関係の亀裂がサプライチェーンの破綻を生み、拍車をかけている。万一、中国による台湾侵攻が起きれば、日本でも未曾有の食糧難が起きかねない。

 そんな中、食品業界関係者の間で密かに注目されている作物がある。インドネシアやパプアニューギニアなどの東南アジア、オセアニアに自然生息するサゴヤシだ。7月7日に東京都千代田区内の学士会館で開催する「第14回国際サゴシンポジウム」(主催:サゴヤシ学会)の組織委員長を務める名古屋大学大学院生命農学研究科教授で、農学国際教育研究センター長の江原宏氏が言う。

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