戦時の健康(3)石油不足で医療体制も崩壊…なぜ戦時に感染症は増えるのか?

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■どんな感染症が増えるのか

「戦時に流行しやすい感染症には特徴があります。赤痢や腸チフスのように不衛生な水や食物を介して広がるもの、発疹チフスのようにシラミなどを媒介とするもの、そして結核のように密集環境で広がるものです。さらには、梅毒といった性感染症も増えます。いずれも、衛生状態の悪化と密接に結びついています」(永田氏)

 こうした感染症が厄介なのは、単に患者を増やすだけではない。医療体制が脆弱化した戦時においては、早期診断や適切な治療が難しく、流行が長期化・拡大しやすい。さらに、前回述べたような栄養不良が重なることで、症状は重篤化しやすくなる。

 つまり「飢え」と「感染」は相互に作用しながら、人々の健康を蝕んでいくのだ。

 もうひとつ見逃せないのが、避難生活の影響である。空襲や戦闘を避けるために人々が移動し、学校や公共施設に集団で生活する状況では、感染症の拡大は避けがたい。プライバシーのない環境、十分でない換気、限られた水資源、必ずしも衛生的でバランスの取れたとは言えない食事……。これらはすべて感染拡大の要因となる。

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