著者のコラム一覧
シェリー めぐみジャーナリスト、ミレニアル・Z世代評論家

NY在住33年。のべ2,000人以上のアメリカの若者を取材。 彼らとの対話から得たフレッシュな情報と、長年のアメリカ生活で培った深いインサイトをもとに、変貌する米国社会を伝える。 専門分野はダイバーシティ&人種問題、米国政治、若者文化。 ラジオのレギュラー番組やテレビ出演、紙・ネット媒体への寄稿多数。 アメリカのダイバーシティ事情の講演を通じ、日本における課題についても発信している。 オフィシャルサイト:https://genz-nyc.com

顎をハンマーで叩くZ世代の男たち…米国で広がる「ルックスマキシング」の沼

公開日: 更新日:

 かつて、ルッキズムの重圧を受けるのは主に女性でした。しかし日本でも男性のスキンケアや美容整形が広がっていることからわかるように、ネット上の容姿基準に縛られる若い男性は世界的に増え続けています。

 興味深いのは、日米で「理想の男性像」が違うことです。日本の男性がどちらかというと、周囲に不快感を与えない清潔感、KーPOPアイドルのような色白でツヤのある肌、スリムな体型を求めるのに対し、アメリカ男性は、彫りが深く鋭い目と強靭な顎、高い筋肉量など、他者を圧倒するような外見に走ることです。ネット上では顔のバランスがミリ単位で計測されるという、残酷とも言える「格付け」が行われています。

 こうしたルックスマキシングは、表面上は「男が魅力的になって何が悪い?」とポジティブに肯定されています。しかし裏では、SNSに刺激され、終わりのない「自分磨き」の沼にハマっている若者の姿が浮かびあがってきます。

 精神や財布をすり減らし、時には体まで傷つける。その点では、日本もアメリカもルッキズムが深刻なフェーズに入っていると言えるでしょう。

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