著者のコラム一覧
南渕明宏昭和医科大教授

心臓血管外科専門医、医学博士。

社会教育はどうすればいい? 中学生の時に衝撃を受けた映画「地の群れ」

公開日: 更新日:

 それぞれの集団は対立しています。映画では最後に平穏な団地で幸せそうに子育てをする女性たちの映像が流れ、終わります。差別、被爆、左翼活動など、現代社会が忘れ去ろうとしている現実が描かれていると感じました。

 この衝撃作の監督は熊井啓です。原作者は井上光晴という小説家にして詩人。瀬戸内寂聴さんと熱い親交のあった人物で、そのテーマで映画にもなっています。

 今でも脳裏に焼き付いた衝撃的シーンは、私にとって効果絶大の優れた社会教育だったと思います。決して偏った一方的な理解を強要するものではありませんでした。

 さて、若い人が「知っておくべきこと」でも、「伝えにくい」「伝えようがない」ものが世の中にはたくさんあります。かといって、このまま何もしないで忘れ去られていいものでもありません。過去に起こったことは、同じ過ちを繰り返さない、未来を創るための「知識」の根源です。

 医療の現場でも、患者さんに予期せぬ不都合が起こった場合、検討分析して「未来を創る知恵」を生み出す知恵として言語化しようと試みられています。

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