著者のコラム一覧
南渕明宏昭和医科大教授

心臓血管外科専門医、医学博士。

医療現場でも重要…満員電車の車内放送で考えさせられた「伝える力」

公開日: 更新日:

 医療の現場でも「伝える」は重要です。おざなりでは「伝わらない」からです。また冒頭の車内放送のように、一言で大きな影響を及ぼすこともあります。

あの時の、センセイの一言、『任せてください!』が私を勇気付けました」と患者さんから感謝していただくこともあります。

 しかし多くの場合、「そんなこと言った覚えないけどなぁ……」。人の記憶もいい加減なものです。

 それにしても、医療の現場はご多分に漏れず、理不尽なカスハラに晒されています。

 これに対して職員には次の3つの選択肢があります。1つ目は、机の上の事務用品のごとくヒトではなくモノに徹して「一切の責任回避」を図る。2つ目は、相手の「人間性」を信じて心の闇に潜む苦悩の核心に誠意をもって問いかけようと努力する。3つ目は、京都の呉服屋の丁稚どんのようにニコニコ顔で揉み手で「そうどすなぁ。そら、えらいこってすなぁ」を繰り返すNRC(non roll character)に徹するか、です。

「大人が大きな声で言い争いをしているときは、どちらも正しいのよ」(映画鉄道員」=伊1956年)

 相手に伝わることと、誠意とは、どこかでリンクしているように思います。

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