百花繚乱…高齢患者から教わるさまざまな「詐欺」のアプローチ
「オーストラリアの宝くじに定期的に送金しているんです」という患者さんもいました。気の毒に思いましたが、楽しそうでした。夢を買っている、という意識なのでしょう。
先の「重油と水で石油になる」詐欺話に100万円を投資した患者さんは診察室で私にも投資を勧めてきました。しばらくして、有名な絵画を立体的に表現する製品を作る事業でまた100万円いかれたようです。
患者さんが持ってきた「立体名画」のサンプル商品は、一般小学生の工作並みの粗悪品でした。この患者さんは「100万円でお笑い芸人のネタを集めている人なのだな」と解釈することにしました。
ヒドイ言い方と思われるかもしれませんが、その都度「詐欺ですよ」と説諭しても、一向に考えを変えません。宝くじと同じで、「『夢』にお金をかけているんだなぁ」と理解しています。
ロマンス詐欺の相手から送られてくるオネーチャンの文面を見せてもらうと──。
「今日も朝起きて部屋のドアを閉めて出かけようとするとき、ふとあなたのことを思い出しました。この瞬間、あなたも私と同じくさわやかで希望に満ちた気持ちで一日を過ごしていただけますよう、空を見上げてお祈りしました」


















