【新子焼き】“秘伝”の漬けダレを育てて

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独酌 三四郎(北海道・旭川)

「新子焼き」といってピンとくる人はどのくらいいるだろうか。骨付きの若鶏の半身を炭火などで素焼きした旭川市民のソウルフードだ。もっとも、「自宅ではあまり作らないんですよ」とは女将の西岡美子さん。

 たしかにデッカイドウとはいえ、家庭で炭火料理は準備も手間もかかる。それゆえ、専門店でテークアウトしたり、外食で食べることが多いという。焼き加減や店独自に調合したタレの味で好みが分かれるそうだが、「三四郎」の新子焼きは一、二を争う店の看板メニュー。訪れる客のほとんどが注文する、とっておきだ。

 豪快な見た目だが、若鶏ゆえ、やわらかくてジューシー。タレがしつこくない味わいだからだろう、一枚をひとりでぺろりと平らげられる。

「創業以来、継ぎ足しで作っているタレなので、店の味そのもの、というわけにはいきませんが、漬けダレは一度作っておくと豚丼などにも使えて便利ですよ」(西岡美子さん)

 煮沸したタッパーに入れたタレは冷凍保存がおすすめ。使うごとに解凍する手間はかかるが、衛生的かつオリジナルの漬けダレができる。しかも、白いご飯に垂らして食べるのもまた美味だ。

《材料》
・若鶏もも肉(大) 1枚
・しょうゆ 900㏄
・砂糖 500グラム
・みりん 100㏄

《作り方》
(1)漬けダレを作る。鍋にしょうゆを入れ、4分の3ぐらいの量になるまで弱火で煮詰める。みりんを加え、30分ほど煮詰めたのち、中火にして砂糖を加え、沸騰する直前に火を止める。
(2)粗熱を取った①をタッパーに入れる。
(3)炭火もしくはグリルで若鶏を皮目から焼く。焦げ目が付いたら裏返しにし、両面焼く。
(4)熱いうちに包丁で一口大に切り、②のタレに漬けて出来上がり。

今日の達人 西岡美子さん

▽どくしゃく・さんしろう
 1946年創業の老舗居酒屋。道北最大の歓楽街「三・六街」に店を構え、作家の太田和彦氏からは「北海道一の名居酒屋」と評される。ちょっぴり風変わりな店名は、酒の強かった初代主人が「姿三四郎が柔の六段なら俺は酒呑みの六段」と豪語して名付けたもの。地元客はもちろん、出張族や観光客が訪れるが、喧騒とは無縁。カウンターでひとり、じっくりと杯を傾けてひたすら静かに飲める幸せがここにある。

 テレビドラマ「孤独のグルメ」にも出演した2代目主人が2017年9月に他界。現在は引き続き、妻で女将の西岡美子さんが切り盛りする。利き酒師や日本酒学講師の資格を持つ女将が目利きした日本酒は、いずれも地の旬の食材を使った一品にピタリと合う。
北海道旭川市2条通5丁目左7号(日祝休)
℡0166・22・6751

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