【重松清 特別寄稿】「アラ還」の僕がいま思う幸せとは

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 先日、自宅の階段が壊れた。半年ほど前からグラグラしていた手すりが、ついにはずれてしまったのだ。

 意外だった。自分では手すりなどほとんど使っていないつもりだったのだ。しっかりした足取りで階段を上り下りしていると思っていた。手すりに負担をかけた覚えはないぞ、と最初は業者の取り付けミスを疑ったほどだ。

 だが、あらためて見てみると、オイルワックスを塗っただけの木製の手すりはずいぶん黒ずんでいた。階段を使うとき、無意識のうちに手を添えていたのだろう。

 この家で暮らし始めて10年になる。引っ越してきたときには45歳だった僕は、いま55歳。若くはない。だが、老け込むほどではない。人並みの体力はあるし、足腰も弱っていない。

 しかし、黒ずんだ手すりが教えてくれた。40代後半からの10年間は、じつは、気づかないうちに手すりに頼っていた歳月だったのだ。

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