嘉門タツオ
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嘉門タツオシンガーソングライター

▽1959年3月、大阪・茨木市生まれ。高校在学中に笑福亭鶴光師匠に入門(後に破門)、ギター片手にライブ活動を始め、83年「ヤンキーの兄ちゃんのうた」でデビュー。「鼻から牛乳」「替え唄メドレーシリーズ」などヒット曲多数。33枚目のアルバム「HEY!浄土~生きてるうちが花なんだぜ~」発売中。食べログの「グルメ著名人」のコーナーが人気。年末年始に大阪・東京・名古屋でツアーを行う。

大阪・堺「おさむちゃん」日本一のいちびっている焼き肉店

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「いちびり」という関西弁がある。ふざけたり、はしゃいだりする可愛げのある人のことをいう。

 大阪・堺の鳳に、日本一いちびっている焼き肉店がある。道路と道路のはざまに立つ、一見バラックのようなわずか3・3坪のたたずまい。客は8席のカウンターで肩を寄せ合う。店主のおさむちゃんがダジャレやギャグを交え、時には照明をつけたり消したりしながら接客する。最高級の肉の塊が目の前で披露され、手際よくさばかれ、焼かれて供される。これほど楽しくおいしいひと時はないだろう。

 狭いので、滑り気味のギャグもしっかり受け止めなくてはならない。なんせ、おさむちゃんは始終いちびっていて、一度伺うとみんなファンになる。どうしたら、こんなにいちびった58歳が出来上がったのか? いろいろ聞いてみた。

 高校1年の時にチェーン展開する焼き肉店に勤める先輩から「毎日焼き肉食べ放題やで!」と誘われ、高校を中退して就職。ところが、甘い言葉とは裏腹に、連日18時間労働の過酷な日々。現在のようなパワハラという倫理感もなく、バブル突入直前の8年間を過ごした。次に歩を進めたのは東住吉の焼き肉店。ここのチーフに飲食の基礎を叩き込まれた。チェーンにはない複雑で魅力的なタレに心酔。教えてもらえませんかと頼んでも相手にしてくれないので、コッソリ、醤油や酒の瓶に印をつけて消費量を量り身に付けた。

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