停電で銀行ATMがストップ 災害時に困らない「お金」の備え
先月9日、千葉県に上陸した台風15号が残した爪痕は驚くほど大きかった。とりわけ、ピーク時に93万戸の送電がストップした大停電はショッキングで、夜は真っ暗、家やお店の冷蔵庫も稼働停止。何より、銀行店舗が開かなかったり、ATMがストップして現金をおろせない、電子マネーも使えなくて心細かった。「お金」に関してどんな備えをしておくべきか――。
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そういえば、昨年9月の北海道の地震では、ブラックアウトが発生し道内は真っ暗闇に。某ドラッグストアでは日中、何とか営業にこぎつけたものの、停電のためレジが稼働できずに現金決済の客以外は断らざるを得なかったという。コンビニやスーパーでも事情は同じ。クレジットカードも電子マネーも、大停電の前には役に立たないのだ。
主婦でファイナンシャルプランナーの関口博美氏がこう言う。
「私自身、親きょうだいが北海道に住んでおり、昨年の地震のとき苦労した話を聞いています。以来、“キャッシュレス決済手段だけに頼らず、現金も準備しておく”ことが大切だと思っています。たとえば、親子4人家族の場合、4~5日暮らせる金額となると、10万円ほどあれば安心できます。もっとも、普段から多額を準備しても、万が一、火災や水害、自宅の倒壊などで現金そのものを失うリスクもある。災害時用に自宅に置くなら、半分の5万円でもいいと思います。なお、緊急時はおつりが出ると売ってもらえないこともあるので、一部は1000円札や小銭も用意しておくとベターでしょう」