【ホウレンソウとしらす、塩昆布のナムル風おひたし】鉄板コンビを支える昆布のうま味
大衆割烹 大菊(東京・葛西)
「もともと、この店は親父とおふくろの弟の2人で始めた店なんです」
こう話すのは店主の大羽昌美さん(55)。東西線葛西駅を降りてすぐの立地で、昨年開店40周年を迎えた。
「本当は記念イベントをやろうとしていたんですが、コロナの影響で泣く泣く断念しました」
長年地元民から愛されているその腕は確かだ。
最初の一品は店でもお通しで提供することが多いというホウレンソウのナムル風。ひとくちつまめば、何とも言えない香りと味。ゴマ油と塩、鉄板の組み合わせに昆布のうま味もプラスされているのだから、「さあ、飲むぞ!」という気分にさせてくれる。日本酒や焼酎はもちろん、苦味のある炭酸――ビールをゴクゴク! とやるのもたまらないだろう。
「作り方も簡単です。小松菜でも作れるし、ホウレンソウもゆがいて絞るのが面倒なら、それこそ冷凍のものを使ってもいいでしょう」
干ししらすの食感も、しっかりした歯ごたえを演出する一品。いや、まさに逸品と呼ぶべきか。
《材料》
・ホウレンソウ 1束
・干ししらす 300グラム
・塩昆布 20グラム
・ゴマ油 大さじ1
《作り方》
(1)沸騰したお湯に塩を大さじ1程度(分量外)加え、ホウレンソウをゆがく。根元のみ20、30秒お湯につけてから全体を1分弱ゆでる。
(2)①を冷水で冷やし、水気を絞ってから4、5センチ幅に切る。
(3)②に塩昆布、干ししらす、ゴマ油を入れてよく和えて完成。
▽大羽昌美(おおば・まさみ)
東京都出身。高校中退後、1年間「大菊」でアルバイトをしてから、料理人になるため大阪で7年修業。その後、東京に戻って後を継ぐ。
「大阪の割烹屋は寿司でも鍋でも、何でもやる店が多い。寿司も握れますよ」
▽大衆割烹 大菊
大羽さんの父と叔父が1980年に共同で開店したのが始まり。和食を中心とした豊富なメニュー、豊洲市場から仕入れた新鮮な魚介類が売り。地元中心に常連が多く、「飽きさせないため、おすすめメニューを頻繁に変えています」とは大羽さん。
東京都江戸川区東葛西6―4―2
℡03・3686・9688
現在は月、火、木、金曜に11時半~12時45分の時間でランチ。夜は金、土のみ。金曜は17時から、土曜は15時から開店し、19時ラストオーダー。