「居酒屋の倒産件数」コロナ禍よりハイペース 個人経営店“勝ち組・負け組”の分岐点は?
気になるリポートが相次いで発表された。
東京商工リサーチによれば、今年1~5月の飲食業の倒産が337件となり、前年同期比で73.7%増と急増した。すでに前年上半期(1~6月)の237件を100件も上回ったという。
帝国データバンクは飲食店の中でも焼き鳥店などを含む「居酒屋」の倒産に注目した調査結果をまとめた。今年1~5月までに88件の倒産が発生し、前年比4割増。コロナ禍で大きなダメージを受けた2020年の同時期の82件より多く、このペースで推移すれば、年間でも20年の累計189件を上回り、過去最多を更新する可能性があるという。
「コロナの5類移行でお客さんが戻り、居酒屋の活気も戻ると思っていたのですが、想定ほどではないのが正直なところです。コロナ禍を耐え忍んできた店が、ようやく元通りになるかと思ったら期待通りにはいかず、落胆して、心がポッキリ折れてしまうというケースが増えています」(帝国データバンク情報統括部・飯島大介氏)
居酒屋倒産の特徴は、資本金が100万円未満の零細店が約半数(45.5%)を占めていること。コロナ禍の時短協力金や補償金、雇用調整助成金などが打ち切られ、資金繰りに行き詰まって事業継続を断念する個人経営の店が多いようだ。食品値上げや人件費・電気代などのコスト増、「家飲み」定着も痛い。