200億円で可能な高額療養費「見直し凍結」は拒否、高校無償化は5000億円かかるのに…非情政権は「女性を敵に回した」と専門家

公開日: 更新日:

 来年度予算案の年度内成立のデッドラインまで残り約1カ月。与野党の攻防が続く中、今や最大の焦点ともいえる「高額療養費制度」見直しの議論が平行線をたどっている。自民党公明党は、がん・難病患者に負担増を強いる政府案の微修正で逃げ切りを図る一方、立憲民主党などは「見直し凍結」を絶対条件に掲げる。無慈悲な石破政権の強硬姿勢に、がん関係の学術界も声を上げ始めた。

  ◇  ◇  ◇

 自公と立憲の政策責任者が26日、予算案の修正協議を実施。療養費制度の見直し凍結などを盛り込んだ3兆8000億円規模の修正を突き付けた立憲に対し、自公は安定財源の確保を理由に挙げて「現行の政府案から見直しはない」と突っぱねた。

 療養費制度の負担上限が引き上げられたら、がん・難病患者は治療断念に追い込まれかねない。生死に直結する問題だからこそ、まずは財源確保に奔走するべきなのに、政府は「制度の持続性」を御旗に掲げて凍結を拒否。26日の衆院予算委員会で立憲の本庄知史議員が改めて「200億円の財源で、これ(凍結)は達成可能」と指摘したが、石破首相は「財源をどこから得るのか」と聞く耳を持たなかった。

 しかし、財源論は凍結しない理由にはならない。

 自公は予算成立に向けた数目当てに、日本維新の会とは3党で合意。維新の看板政策である「高校授業料の無償化」をのんだ。関連経費は5000億円に上るとされるが、石破首相は財源について「行財政改革を行い安定財源を確保する」とあやふやなまま。5000億円の財源はハッキリしないのに、難病者らの生死を握る200億円に財源論を持ち出すのはダブルスタンダード、二枚舌も甚だしい。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  2. 7

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  3. 8

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  4. 9

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  5. 10

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い