大阪万博の陰で住宅再建もままならず…能登半島地震の被災地からは怨嗟の声

公開日: 更新日:

生きるのに必死

 大阪府の吉村知事は、能登半島の小・中学生の子どもら320人を万博に無料招待するとしている。

「国家的イベントの開催自体は良いことだと思います。でも、復興支援というなら、被災者数百人を万博に招待しただけで何になるんだというのがホンネです。それに、いま旅行できる余裕があるのは被害が少なかったか、裕福な家庭くらいですよ。言い方は悪いですが『能登をダシにすんな』って感じです」(前出の30代男性)

 自民党は政権与党として万博を推進する立場だが、被災地ではその自民党の地方議員でさえも、開催についてこう異論を呈した。

「能登半島の人々は、万博のことなど頭になく、日々を生きるのに必死です。そんな状況なのに、あっちは万博でにぎやか、こっちは粛々と復旧・復興作業っていうのは、ちょっとあんまりです。中途半端に能登を扱うくらいなら、もっと地元のことを伝える場を設けてほしい。能登半島には、いろんな祭りがあるので、踊りなどを会場で披露するとか、もっと被災地に関心を持ってもらえるようにして欲しいです」

 夢洲では華やかなメガイベントが行われている一方で、被災者は将来への大きな不安を抱えたまま生活を続けている。

(橋本悠太/日刊ゲンダイ

■関連キーワード

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    これぞ維新クオリティー!「定数削減法案」絶望的で党は“錯乱状態”…チンピラ度も増し増し

  3. 3

    「おこめ券」迫られる軌道修正…自治体首長から強烈批判、鈴木農相の地元山形も「NO」突き付け

  4. 4

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった

  5. 5

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  1. 6

    12月でも被害・出没続々…クマが冬眠できない事情と、する必要がなくなった理由

  2. 7

    やはり進次郎氏は「防衛相」不適格…レーダー照射めぐる中国との反論合戦に「プロ意識欠如」と識者バッサリ

  3. 8

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  4. 9

    黄川田地方創生相が高市政権の“弱点”に急浮上…予算委でグダグダ答弁連発、突如ニヤつく超KYぶり

  5. 10

    2025年のヒロイン今田美桜&河合優実の「あんぱん」人気コンビに暗雲…来年の活躍危惧の見通しも