農水省は「品質管理徹底」と言うが…新たに放出の備蓄米「古古米」「古古古米」はおいしいのか?

公開日: 更新日:

老舗米穀店は「間違いなく品質は落ちているはず」

 しかし、やはり時間が経てばコメの劣化は避けられない。創業90年の老舗米穀店「まつもと米穀」(京都府舞鶴市)の松本泰社長はこう話す。

「品種や産地によって違いがあるため一概には言えませんが、収穫して3~4年も経っていると、間違いなく品質は落ちているはずです。時間が経てば経つほど、コメは水分が抜け酸化が進み、食味は損なわれるもの。普通の管理方法であれば、古古米くらいになると食味はかなり落ちてしまいます。2160円という価格はコメが高騰した状況ではかなり安く見えますが、正直、値段なりのおいしさでしょう」

 言い方を変えれば、家畜のエサなどに売却されるコメの、一歩手前のものに過ぎないのだ。

「21、22年産米の品質について農水省などから何の説明もなければ、イメージと食味のギャップで混乱してしまう消費者もいることでしょう。古いお米でもピラフやチャーハンなどにすればおいしく食べられることもあるので、こうした調理方法などについてもあわせて、しっかりと広報する必要があるのではないでしょうか」(松本泰社長)

 やはり、備蓄米に過度な期待はできなそうだ。

  ◇  ◇  ◇

 小泉進次郎農相がブチ上げたコメ値下げプランには、さまざまな障壁があるようで…詳しくは関連記事【もっと読む】で報じている。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    参政党・神谷宗幣代表が街頭演説でブチまけた激ヤバ「治安維持法」肯定論

  2. 2

    「自公過半数割れ」後の大政局…反石破勢力は「高市早苗首班」で参政党との連立も

  3. 3

    元小結・臥牙丸さんは5年前に引退しすっかりスリムに…故国ジョージアにタイヤを輸出する事業を始めていた

  4. 4

    自民旧安倍派「歩くヘイト」杉田水脈氏は参院選落選危機…なりふり構わぬ超ドブ板選挙を展開中

  5. 5

    「時代に挑んだ男」加納典明(25)中学2年で初体験、行為を終えて感じたのは腹立ちと嫌悪だった

  1. 6

    トップ清水賢治社長に代わったフジテレビの“アニメ推し”が目に余る

  2. 7

    参院選和歌山「二階vs世耕」は血みどろの全面戦争に…“ステルス支援”が一転、本人登場で対立激化

  3. 8

    参政党が消せない“黒歴史”…党員がコメ農家の敵「ジャンボタニシ」拡散、農水省に一喝された過去

  4. 9

    長嶋茂雄さんの引退試合の日にもらった“約束”のグラブを含めてすべての思い出が宝物です

  5. 10

    遠野なぎこさんは広末涼子より“取り扱い注意”な女優だった…事務所もお手上げだった